見えにくい遺品整理 大阪のいいところ
従来のプラスチックボトルに不足していたガスバリア性を克服したので、ガラス瓶の最後の砦だった清涼飲料に採用され、それがPETボトルの需要急増の契機になったのだ。
90年の生産量は年産約21万トン、いまやプラスチックボトルの約3割を占め、清涼飲料のボトルでPETでないのを探すのはむずかしいほどだ。 こうした転換を進める要因は、第一に安いこと、第二に軽くて割れにくいので運送コストが控えめに見ても半減することだ。
その利益は、低価格、持ち運びが楽という形で消費者も享受しているわけだが、これらの容器がほとんどワンウェイ、すなわち使い捨てであるため、資源の浪費だという批判が生まれる。 しかし、リターナブルのガラス瓶とワンウェイのプラスチックボトルでトータルなエネルギー(つまりは石油である)消費を比較すると、ワンウェイのプラスチックのほうが小さいという研究もあり、必ずしも使い捨てが悪とは言えない面もある。
天然物質の代替品として出発したプラスチックだが、プラスチックなればこそ開拓した新分野も出現している。 ごく身近なところでは、ポリ袋でさえある意味でそうだ。
液体を簡単に封入することは経木や竹の皮ではできないし、耐水性を付与した紙でもむずかしい。 しかし、真にプラスチックならではという領域を占めているのは、量的にはプラスチック全体の5パーセントほどの汎用ではない数群のプラスチックである。
その第一のグループはエンプラ(エンジニアリングプラスチック)、スーパーエンプラと呼ばれるもので、耐熱性、機械的強度、剛性、寸法安定性、耐薬品性などの性能が、汎用プラスチックとは格段に違うものを指している。 エンプラも50年代後半に登場したときは金属代替材料という性格をもっていたのだが、金属でも木材でもかなわない性能が注目され、70年以降、OA機器の部品材料(ハウジングを含む)として急速に伸びてきた。
スポーツ用品や自動車部品にも進出領域を広げている。 第二のグループは機能性ポリマーと呼ばれる一群だ。
紙おむつに使われる高吸水性樹脂や超LSIプリント用の感光性樹脂が有名である(そうだ、しつこく紙おむつの宣伝をやっていたアグネス・チャンは、まさか環境がどうとか騒いでいないだろうな)。 しかし、よりプラスチック(成形可能)なものとしては形状記憶樹脂と導電性ポリマーが挙げられよう。
形状記憶樹脂のふるまいは合金のほうでよく知られているのと同じで、高温で成形したものを冷却後に自在に変形させても、ある温度まで加熱すると元の形に戻る。 合金より低コストで成形しやすいため素材としては有望視されている。
導電性ポリマーは、プラスチック一般の大きな特徴である絶縁性とは逆に、名のとおり導電性をもたせたものだ。 ポリマー二次電池や導電性フィルム、各種センサーなどへの応用が期待されている材料だ。
原料となる石油は、ほんとうに化石資源なのか氾濫するプラスチックの現況を、ひどく大ざっぱに見てきたが、容積で鉄と並ぶほどの材料を生産するためには、さぞ莫大な量の石油が使われているだろうと想像したくなるかもしれない。 ところが、プラスチック生産に向けられる石油留分は、わが国の石油総需要のなかではわずかなものである。
かつてナフサがすべて国産だった時代には、狭義のプラスチックが6パーセント弱、合成繊維、合成ゴム、塗料、その他の化学工業製品を合わせても一割強と算定されていた。 現在は原油ではなく精製後に輸入される石油留分があり、ナフサのほうもLPGや天然ガスから生産しようという動きが強まっているので算定はむずかしく、関係者の試算でもバラつくが、国内で消費される各種石油留分・LPG・天然ガス(便宜的に「石油類」と呼ぶ)に対して狭義のプラスチックが7〜8パーセント、広義にとって12〜13パーセント程度だろう。
「石油類」の9割近くは、ひたすら熱源として燃やされているのだ。 その石油が、いまは環境問題との関連で語られることが多くなった。
しかし、つい先ごろまでは枯渇を憂慮すべき化石資源として語られるほうが普通だったはずだ。 論調が変わったのは「環境」が「問題」として浮上したのもさることながら、石油の可採年数なるものがしだいに伸びてきたせいでもある。
毎年膨大な量の石油を採掘して消費しているのに可採年数が伸びるのは不思議な気がするが、理由は単純である。 可採年数の根拠となるのは確認埋蔵量だ。
これは現在の採掘技術とコストをもとに、採油すれば引き合うとみなされている量であって、採掘技術が向上し、需要が増大する(原油価格が上がる)と確認埋蔵量が増す。 こんな数字がなんで「確認」だかよくわからないが、これを年間使用量で割ったものが可採年数だから、だんだん伸びても不思議はないのだ。
それでも、いずれはほんとうに枯渇するというのが一般的見解である。 ところが、これについても異論がある。
石油は一般に化石資源だと信じられている。 本書でも1回や2回はそう書いたと思う。
これは、生物が関与しなければ合成されないポルフィリンなどという物質が石油に含まれているとか、石炭だって植物化石なんだからとか、いわば状況証拠に基づく推論であり、直接的な証拠はない。 これに対してコーネル大学の天体物理学者トマス・ゴールドは、地球が形成されたとき、原始星間物質中の炭素と水素がマントル深くとらえられてメタンとして閉じ込められており、石油や天然ガスはこれに細菌が作用して地表にゆっくりにじみ出てきたものだとする新説を提起した。
ゴールド説を検証するために、3億6千年まえに巨大限石が衝突して地下の花商岩層を砕いたスウェーデンのクレーターの縁で、6000メートルだか7000メートルだかの穴を掘って地球深部での生命活動の証拠を探す試みが行なわれた。 3、4年まえ、1号井でそれらしいものが見つかったとゴールドが主張し、いや掘削油ではないかという反論もやっぱり出てモメていたが、91年、2号井の深さ2800メートルの地点で主成分のメタンのほかエタン、プロパン、ブタン、ヘキサンなどの炭化水素が混ざった液化ガスが噴出した。
もう非生物起源の天然ガスは、その有無ではなく、商業的規模での生産が可能かどうかという段階にきているらしい。 石油については、まだゴールド説の当否を判定する材料は乏しいが、もし彼がまちがっているとしても、いまのところ可採年数は50年近いので、われら庶民が今日明日の枯渇を悩んでもしようがない。
したがって石油についてもプラスチックについても、差し迫っているのは資源枯渇という「問題」ではないのだ。 91年、東京では東京湾江東区沖の最終処分場(中央防波堤外側埋立て地)が予定より早く満杯に近づいた。
さらに、その沖に処分場を新設しようとする都の計画に対して、江東区が「ゴミ押し付け」と反発、美濃部都政時代、ゴミ搬入のトラックを実力で阻止したゴミ戦争から二十年、第二次ゴミ戦争が勃発しそうな形勢になった。 また、千葉県松戸市、神奈川県大和市、大阪府豊中市など首都圏や関西圏の自治体が福井県敦賀市の民間廃棄物処分場と契約、ゴミを搬入しているのに対して、敦賀市当局が中止を求め、抗エネルギーを得る際に発生する炭酸ガスが、地球温暖化を招く大きなファクターになっているからだ。
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天然物質の代替品として出発したプラスチックだが、プラスチックなればこそ開拓した新分野も出現している。 ごく身近なところでは、ポリ袋でさえある意味でそうだ。
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その第一のグループはエンプラ(エンジニアリングプラスチック)、スーパーエンプラと呼ばれるもので、耐熱性、機械的強度、剛性、寸法安定性、耐薬品性などの性能が、汎用プラスチックとは格段に違うものを指している。 エンプラも50年代後半に登場したときは金属代替材料という性格をもっていたのだが、金属でも木材でもかなわない性能が注目され、70年以降、OA機器の部品材料(ハウジングを含む)として急速に伸びてきた。
スポーツ用品や自動車部品にも進出領域を広げている。 第二のグループは機能性ポリマーと呼ばれる一群だ。
紙おむつに使われる高吸水性樹脂や超LSIプリント用の感光性樹脂が有名である(そうだ、しつこく紙おむつの宣伝をやっていたアグネス・チャンは、まさか環境がどうとか騒いでいないだろうな)。 しかし、よりプラスチック(成形可能)なものとしては形状記憶樹脂と導電性ポリマーが挙げられよう。
形状記憶樹脂のふるまいは合金のほうでよく知られているのと同じで、高温で成形したものを冷却後に自在に変形させても、ある温度まで加熱すると元の形に戻る。 合金より低コストで成形しやすいため素材としては有望視されている。
導電性ポリマーは、プラスチック一般の大きな特徴である絶縁性とは逆に、名のとおり導電性をもたせたものだ。 ポリマー二次電池や導電性フィルム、各種センサーなどへの応用が期待されている材料だ。
原料となる石油は、ほんとうに化石資源なのか氾濫するプラスチックの現況を、ひどく大ざっぱに見てきたが、容積で鉄と並ぶほどの材料を生産するためには、さぞ莫大な量の石油が使われているだろうと想像したくなるかもしれない。 ところが、プラスチック生産に向けられる石油留分は、わが国の石油総需要のなかではわずかなものである。
かつてナフサがすべて国産だった時代には、狭義のプラスチックが6パーセント弱、合成繊維、合成ゴム、塗料、その他の化学工業製品を合わせても一割強と算定されていた。 現在は原油ではなく精製後に輸入される石油留分があり、ナフサのほうもLPGや天然ガスから生産しようという動きが強まっているので算定はむずかしく、関係者の試算でもバラつくが、国内で消費される各種石油留分・LPG・天然ガス(便宜的に「石油類」と呼ぶ)に対して狭義のプラスチックが7〜8パーセント、広義にとって12〜13パーセント程度だろう。
「石油類」の9割近くは、ひたすら熱源として燃やされているのだ。 その石油が、いまは環境問題との関連で語られることが多くなった。
しかし、つい先ごろまでは枯渇を憂慮すべき化石資源として語られるほうが普通だったはずだ。 論調が変わったのは「環境」が「問題」として浮上したのもさることながら、石油の可採年数なるものがしだいに伸びてきたせいでもある。
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これは現在の採掘技術とコストをもとに、採油すれば引き合うとみなされている量であって、採掘技術が向上し、需要が増大する(原油価格が上がる)と確認埋蔵量が増す。 こんな数字がなんで「確認」だかよくわからないが、これを年間使用量で割ったものが可採年数だから、だんだん伸びても不思議はないのだ。
それでも、いずれはほんとうに枯渇するというのが一般的見解である。 ところが、これについても異論がある。
石油は一般に化石資源だと信じられている。 本書でも1回や2回はそう書いたと思う。
これは、生物が関与しなければ合成されないポルフィリンなどという物質が石油に含まれているとか、石炭だって植物化石なんだからとか、いわば状況証拠に基づく推論であり、直接的な証拠はない。 これに対してコーネル大学の天体物理学者トマス・ゴールドは、地球が形成されたとき、原始星間物質中の炭素と水素がマントル深くとらえられてメタンとして閉じ込められており、石油や天然ガスはこれに細菌が作用して地表にゆっくりにじみ出てきたものだとする新説を提起した。
ゴールド説を検証するために、3億6千年まえに巨大限石が衝突して地下の花商岩層を砕いたスウェーデンのクレーターの縁で、6000メートルだか7000メートルだかの穴を掘って地球深部での生命活動の証拠を探す試みが行なわれた。 3、4年まえ、1号井でそれらしいものが見つかったとゴールドが主張し、いや掘削油ではないかという反論もやっぱり出てモメていたが、91年、2号井の深さ2800メートルの地点で主成分のメタンのほかエタン、プロパン、ブタン、ヘキサンなどの炭化水素が混ざった液化ガスが噴出した。
もう非生物起源の天然ガスは、その有無ではなく、商業的規模での生産が可能かどうかという段階にきているらしい。 石油については、まだゴールド説の当否を判定する材料は乏しいが、もし彼がまちがっているとしても、いまのところ可採年数は50年近いので、われら庶民が今日明日の枯渇を悩んでもしようがない。
したがって石油についてもプラスチックについても、差し迫っているのは資源枯渇という「問題」ではないのだ。 91年、東京では東京湾江東区沖の最終処分場(中央防波堤外側埋立て地)が予定より早く満杯に近づいた。
さらに、その沖に処分場を新設しようとする都の計画に対して、江東区が「ゴミ押し付け」と反発、美濃部都政時代、ゴミ搬入のトラックを実力で阻止したゴミ戦争から二十年、第二次ゴミ戦争が勃発しそうな形勢になった。 また、千葉県松戸市、神奈川県大和市、大阪府豊中市など首都圏や関西圏の自治体が福井県敦賀市の民間廃棄物処分場と契約、ゴミを搬入しているのに対して、敦賀市当局が中止を求め、抗エネルギーを得る際に発生する炭酸ガスが、地球温暖化を招く大きなファクターになっているからだ。
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